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研究炉使用済燃料輸送容器構造検討グループ
JAERI-Review 2005-023, 133 Pages, 2005/07
原研では、2基のステンレス製研究炉使用済燃料輸送容器JRC-80Y-20Tを作製し、1981年から使用してきた。シリサイド燃料を輸送するために設計変更を米国原子力規制委員会(NRC)に申請したが、落下衝撃解析に用いたDavisの評価式がその適用範囲外であることを指摘され、2004年4月以降の容器使用が認められなかった。衝撃応答解析コードLS-DYNAを用いた計算結果を追加でNRCに提出したが、蓋のシール領域に塑性変形を示しており、依然として容器承認が取得できなかった。このような輸送容器の設計承認問題に対応するため、検討グループを6月末に設置した。同グループでは、まず既に実施した落下解析結果の妥当性検討として、入力データの妥当性検討及び感度解析を実施した。検討した範囲において落下解析がおおむね妥当であり、解析結果の見直しだけで容器承認をNRCから得ることはできないと結論付けた。
黒石 武; 野村 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(6), p.433 - 440, 2003/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.9(Nuclear Science & Technology)実際の使用済み燃料輸送容器の臨界安全性解析において有効な核分裂源収束加速手法を研究した。OECD/NEA燃焼度クレジットベンチマーク問題II-Cでは、炉内中性子束測定に基づいて、ほぼ対称形から強非対称形に至るまでのさまざまな軸方向燃焼度分布が提案された。その中のいくつかのケースにおける従来モンテカルロ手法の計算結果は、核分裂源分布の極めて緩慢な収束性を示し、臨界性統計評価のための信頼し得る核分裂源分布を得るためには、極めて大きなスキップサイクル数が必要となった。核分裂源収束緩慢性を改善すべく開発され従来モンテカルロ計算に組み込まれてきた行列固有値計算をこのベンチマーク問題に適用した。行列固有値計算の有効性は、その行列要素の評価精度に依存する。核分裂源の収束が不十分な状態でさらなる加速手法を適用する際に、特に極めて緩慢な収束性を示す本ベンチマーク問題に対して、小さい核分裂源の行列要素の統計評価による大きな変動により、異常な加速結果を示した。このような場合、行列要素を評価する際のヒストリー数を単純に増加させる場合と比較して計算時間的により有効な核分裂源加速手法を提案する。
黒石 武; Hoang, A.; 野村 靖; 奥野 浩
JAERI-Tech 2003-021, 60 Pages, 2003/03
OECD/NEAベンチマーク問題II-Cにおいて提案されたPWR使用済み燃料輸送容器を対象に、軸方向燃焼度分布の非対称性による反応度効果について研究した。炉内中性子束測定に基づき、軸方向燃焼度分布は21の組成領域で模擬される。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4B2と核データライブラリーJENDL-3.2を用いて、3次元モデルの臨界計算を実施した。アクチニドと核分裂生成物を考慮する手法に加え、アクチニドのみ考慮する手法についても実施した。計算の結果、燃焼度A.O.の増加に伴って、実効増倍率及び端部効果はほぼ直線的に増加することが示された。また、より高い燃焼度に対して、燃焼度分布非対称性の端部効果への感度はより高い。軸方向分布を持つ燃焼度に対して、核分裂源分布は、燃料下端部より燃焼度の低い上端部に向かってピークがシフトするという強非対称になった。さらに、平均燃焼度の増加に伴って、核分裂源分布のピークはより高くなった。実測値から得られた最も非対称性の強い軸方向燃焼度分布を用いてアクチニドと核分裂生成物を考慮する手法に基づく実効増倍率計算結果と比較することより、一様燃焼度分布を仮定したアクチニドのみ考慮する手法の保守性を定量的に評価することができる。
田中 俊一; 坂本 幸夫; 山路 昭雄*; 足立 守; 近藤 真; 内山 順三; 佐藤 博; 飯田 省三; 小林 忠義; 広瀬 彰; et al.
JAERI-M 84-019, 66 Pages, 1984/02
使用済燃料取扱施設の遮蔽安全性評価コードシステム、同データライブラリィの検証実験計画に基づき、BWR使用済燃料集合体とこれを収納した使用済燃料輸送キャスクを用いて「キャスク形状評価のための実験」を実施した。この実験は使用済燃料輸送キャスクの遮蔽解析コード、同データライブラリィを総合的に評価、検討し、必要な改善を計るためのベンチマークデータを取得することを目的とするもので、燃料集合体1体、および2体収納した輸送キャスクについてガンマ線、中性子の測定を行なった。本報告書では、測定値の他、実験の条件・方法、検出器の特性、測定結果のまとめが述べられている。
幾島 毅; 中里 力*
JAERI-M 83-184, 101 Pages, 1983/11
有限差分法による多次元非線形熱伝導計算プログラムHEATING5の改良版HEATING5-JRが作成された。HEATING5-JRでは、HEATING5の入力データおよび計算結果の図形表示のためのプリおよびポストブロセッサが付けられている。本報告には、計算式、計算プログラムの説明およびユーザのための入力および出力形式が記述されている。数個の計算例が、計算プログラムの使用を説明するために記述されている。なお、本報告は、すでに報告されたJAERI-memo 58-028を訂正したものであり、核燃料輸送容器の熱計算に有効に利用できるものである。
幾島 毅; 中里 力*; 下田 収*; 内野 守*
JAERI-M 83-010, 48 Pages, 1983/02
本報告は、核燃料輸送容器の衝撃解析プログラムSHOCK-JRについて、その解析手法、解析プログラムの内容、入力形式、出力形式および検証計算結果について述べたものである。輸送容器は、1次元ばね-質量系としてモデル化される。数値積分は、Runge-Kutta-Gill法またはNewmark-法によっている。SHOCK-JRは、サンディア国立研究所のリバモア研究所において開発されたSHOCKを改良したものであり、主要な改良点は、単位系をSI系に改定し、計算結果の図形処理プログラムを追加したことである。なお、本報告書はJAERI-Memo57-225と57-262を合せて、公開報告書とするものである。
幾島 毅; 中里 力*
JAERI-M 83-009, 50 Pages, 1983/02
核燃料輸送容器の衝撃解析プログラムIMPAC-JRについて、その解析法、計算プログラムの内容、入力形式と出力形式について述べたものである。計算プログラムでは、輸送容器は1次元モデルとし、集中質量系、非線形スプリングによってモデル化する。IMPAC2-JRはロスアラモス国立研究所において作成されたIMPAC2を改良したものであり、改良点は、単位系をSI系にしたこと、および計算結果の図形処理プログラムを追加したことである。なお、本報告は未公開メモ(JAERI-Memo9926)を公開するに当り、加筆したものである。
田中 俊一; 山路 昭雄*; 坂本 幸夫; 片倉 純一; 内藤 俶孝; 足立 守; 近藤 真; 佐藤 博; 内山 順三; 小林 忠義; et al.
JAERI-M 82-201, 60 Pages, 1982/12
使用済燃料取扱施設の遮蔽安全性評価コードシステム、同データライブラリィの検証実験計画に基づき、PWR燃料集合体とこれを収納した使用済燃料輸送キャスクを利用した「キャスク形状評価のための実験」を実施した。この実験は使用済燃料輸送キャスクの遮蔽コード、および同データライブラリィの妥当性を総合的に評価することを目的とするもので、輸送キャスク周辺における、中性子、ガンマ線のエネルギスペクトル、線量率分布、キャスク内部での中性子、ガンマ線の反応率、線量率分布等の詳細な測定が行われた。本報告書には、測定値の他、実験条件、実験方法、検出器の特性等が述べられている。
片倉 純一; 小室 雄一; 山野 直樹; 内藤 俶孝
JAERI-M 9957, 94 Pages, 1982/03
遮蔽安全性評価用計算コードシステムの信頼性を確認するために、使用済燃料輸送容器の遮蔽実験が原研で計画されている。その予備解析として、放射線源強度、中性子およびガンマ線の輸送、および中性子の反応度の計算が行われた。また、計算手法の妥当性を評価するために種々のパラメータ・サーベイが行なわれた。これ等の検討の結果、本解析に使用すべき解析手法が整備された。また、輸送容器周辺での線量分布の推定値が求まった。
神谷 正征; 山野 直樹; 下桶 敬則
JAERI-M 9562, 44 Pages, 1981/07
使用済燃料輸送容器の遮蔽解析をRADHEAT-V3コードシステムを用いて行った。解析対象として典型的なPWR使用済燃料輸送キャスクモデルを考慮し、容器上半分に対して解析を行った。本報告では線源評価より二次元輸送計算に至る計算手法について考察すると共に、二次ガンマ線生成、ストリーミング効果の影響を検討し、種々のバラメータ依存性について議論した。その結果、RADHEAT-V3コードシステムは、使用済燃料輸送キャスクの遮蔽安全解析に対し、十分な適用性を持つ事が明らかとなった。